FXトレードにおいて塩漬けポジションはできるだけ作りたくないもの。
とは言え、損切が遅れてなかなかポジションを切れず、価格が戻ってくることを期待して持ち続けてしまいます。その挙句、2年も塩漬けにしてしまっているポジションがあります。

本記事では、過去のチャートを見て、塩漬けをできるだけ作らないために何ができたかを振り返り、今後どのように対応していくかをを考えます。
- エントリーした時(塩漬けポジションを作った時)のチャートを振り返る
- 塩漬けポジションを作ってしまう原因
- 塩漬けポジションの対策
- エントリー時の対策
- エントリー後の対策
- まとめ
1. エントリーした時(塩漬けポジションを作った時)のチャートを振り返る
2018年11月、12月の頃に作ってしまった塩漬けポジションについて振り返ります。
当時の私は、スマホのチャートしかほとんど見ておらず、テクニカル分析の知識もほとんど勉強しておらず(本とかを読んでいましたが、なるほど、とわかったつもりになっているだけで全く身に着けるレベルにはありませんでした)、何となくの雰囲気に任せたトレードをしていました。
そういった状態で作った塩漬けポジションは以下のような流れでエントリしました。
◆塩漬けポジションのエントリーの全体像
当時のスマホ画面は残していないし、現在(21年2月)にスマホでFX口座のチャートを見ても約3年前のチャートは表示できなかったので、MT4のチャートを以下に掲載しました。

①~④の順にエントリーしました。高値掴みの後、ナンピンを続けるもずっと失敗でした。
ここから2020年のコロナショックまでに約12円も下落しました。
①~④について、もう少し詳しく見ていきます。
① 高値掴み

当時はトレンドラインも引いたことがなかったので、何となくこのまま上がると考えてエントリしたと思います。
上昇を確認せずにエントリしている時点で基本ができていなかったです。
② ナンピン1回目(これ以上の下げはないだろう)

大きく下げてから上がりだしたように見えたので、きっとこの先は上がると考えてエントリしたと思います。
このチャートだけ見ると、そんなに悪い位置ではなかったかもしれません。
③ ナンピン2回目(もうそろそろ底値だろう)

大きく下げただから、もう底値で下がらないだろうと単純な考えというか安易な期待でエントリしてしまっていたと思います。
これは全くエントリー根拠が読み取れないダメダメなエントリーです。
④ ナンピン3回目(ここまで下がったらさすがに底値だろう)

下にヒゲをつけたからチャンスとでも思ったのでしょうか。当時のことは忘れてしまっていますが完全にダメエントリーです。
このような感じで、特にチャート分析をすることもなく、何となく底値を期待して失敗を続けたというのが塩漬けポジションを作った流れです。
2. 塩漬けポジションを作ってしまう原因
塩漬けポジションを作ってしまう原因は一様ではないと思いますが、上記含めて今までの失敗を振り返ると以下のことが挙げられます。
- エントリー時の原因
- 想定や根拠を持たず希望でエントリしている
- 「もう底(天井)だろう」。「このまま上がる(下がる)だろう」
- 「想定(希望)と逆に行ったらどうするか」を決めていない
- 短時間足の動きでエントリーを決めてしまう
- 過去の成功経験(ビギナーズラック経験)が、希望を膨らませてしまう
- 早く損失を取り戻したいという焦りが視野を狭くし、希望を膨らませてしまう
- そもそもFXの勉強不足。特にテクニカル分析
- 想定や根拠を持たず希望でエントリしている
- エントリー後の原因
- 過去に価格が戻ってきた経験がある
- 「きっと今回も戻るだろう」と楽観視してしまう
- 損切りした後に戻った経験があると損切りに踏み切れない
- ドテンした後に戻った経験があるとなおさら損切りに踏み切れない
- 含み益が出てもまだ伸びるだろうと放置してしまう。その後、建値を割ってしまい塩漬けになってしまう
- 過去に価格が戻ってきた経験がある
次に、塩漬けポジションへの対策を考えていきます。
3. 塩漬けポジションの対策
3-1. エントリー時の対策
塩漬けポジションをできるだけ作らないために、エントリー時の対策から考えていきます。
エントリー時には最低限以下の5つを確認する
- 月足、週足の長期のトレンドラインを引いておく
- 移動平均線を引いておく
- スワップポイントで損失が出ないか確認しておく
- 利確目標額、損失許容額、ナンピン回数、売買通貨量を決めておく
- 指値注文を使う
3-1-1. 月足、週足の長期のトレンドラインを引いておく
月足や週足くらいの長期のローソク足でトレンドラインを引いておくことが大切です。
長期のトレンドラインは機能することが割と多いからです。

今回の塩漬けポジションも週足でトレンドラインを引いて確認してみると、トレンドライン上、あるいは、トレンドラインより下でエントリ(買)してしまっていました。
短期的には上昇していても必ず長期足を見るべきです。短期足のトレンドが長期足のトレンドにより止められることを想定してエントリすることが重要です。
トレンドラインの引き方は一通りではないので悩ましいですが、できるだけ反発の多いところを結ぶ。また、できるだけ安全側(下降トレンドなら価格が低い側)で引いておくことが塩漬けポジション対策としては効果的と思います。
3-1-2. 移動平均線を引いておく
移動平均線、中でも強く意識されると言われている200日単純移動平均線を引いておくことが大切です。

今回の塩漬けポジションも移動平均線を引いて確認してみると、ほぼ200日単純移動平均線の線上でエントリ(買)してしまっていました。
現在価格が200日単純移動平均線の上側にいるのか下側にいるのか、200日単純移動平均線の傾きが右肩上がりなのか右肩下がりなのかも見ておいた方が良いです。
上側かつ右肩上がりだと上昇継続、下側かつ右肩下がりだと下降継続の傾向が強いので、このことを考慮してエントリーすると塩漬けポジションを持つ可能性を下げられます。
3-1-3. スワップポイントで損失が出ないか確認しておく
スワップポイントを確認しておくことが大切です。
マイナスのスワップポイントにより塩漬け期間が長くなると損失が膨らむからです。
下の図は、今回の塩漬けポジションで膨らんだスワップ損です。

通貨によって、「買いだとプラス、売りだとマイナススワップポイント」、「買いだとマイナス、売りだとプラススワップポイント」が異なります。
エントリー前にはエントリーしようとする通貨のスワップポイントを確認し、塩漬けになった場合にスワップによる損失を受け入れるかどうか考えた方が良いです。ただし、スワップポイントは景気動向等により変動するのでエントリーの時のものがずっと続くわけではありません。
3-1-4. 利確目標額、損失許容額、ナンピン回数、通貨量を決めておく
利確目標額、損失許容額、ナンピン回数、通貨量を決めておくことが大切です。
利益目標額は、得られたはずの利益確定タイミングを逃してしまうかもしれないからです。
損失許容額・ナンピン回数・通貨量は、相場が想定と違う方向に動いた時にどこまで口座が耐えられるか、追加トレードするだけの余力があるかを把握しておかないと塩漬けポジション解消までトレードを止めておくことになってしまうからです。また、これらについて把握しておき、損切りするかしないか、するならいくらで損切りするかを決めてトレードすることが大切です。
ナンピン回数は回数を決めておき、その回数を使い切ったらしばらくはトレードを休んだ方が良いと思います。また、ナンピンしても自分の想定と違う方向に動いているということは想定外ということなので、ある程度期間をおいて次の手を考えた方が損失を膨らまさずに済むと思います。
通貨量はできるだけ少ない量からエントリーした方が良いです。ナンピンする場合も少ない量を継続した方が無難です。ナンピンするということは想定した方向へ動いていないということなので無茶は禁物です。
許容損失額は感覚的につかんでおいた方が良いのですが実際のお金で試すのは危険すぎるのでデモトレードを活用しておくのがおすすめです。
3-1-5. 指値注文を使う
できるだけ指値注文を使うことが大切です。
「今だ!」と思って急いで成行注文してもなかなか思った方向に相場は動かないからです。
指値を決めるためにチャートをしっかり見ることにもつながるので指値注文は活用した方が良いと思います。
3-2. エントリー後の対策
どれだけしっかりチャート分析しても未来はわからないものです。
エントリーしたけポジションをできるだけ塩漬けにしないために、エントリー後の対策を考えていきます。
エントリー後には最低限以下の5つを意識して対応する
- エントリーした時に決めた損切り価格を基本的に変更しない
- ドテンや両建てはしない
- 想定と違う方向に動いている限りはナンピンを我慢する
- 分散投資で利益が得られているものがあればその利益分で塩漬けポジションを損切りする
- 口座残高に余裕があるなら塩漬けポジションを次の到達目標地点としてトレードする
3-2-1. エントリーした時に決めた損切り価格を基本的に変更しない
エントリーした時に決めた損切り価格を基本的に変更しないことが大切です。
想定以上の損失を出してしまう可能性があるからです。
時には損切り価格を変えることでうまくいくこともあるかもしれませんが、そのようなことが毎回続くことは少ないと思われるので決めた損切りは守ることが大切です。
もし含み益が出ていたら早めに損切り価格を切り上げることはしておいた方が良いかもしれません。利益が伸ばせなくなることもありますが損失をなくすことができるためです。
3-2-2. ドテンや両建てはしない
ドテンや両建てはしないことが大切です。
想定外れが続いてさらなる損失を生む可能性があるからです。
ドテンや両建てをするなら損切りがしっかりできていて、損切りしつつも利益を上げるるトレードスキルが身についていれば良いのかもしれません。
3-2-3. 想定と違う方向に動いている限りはナンピンを我慢する
想定と違う方向に動いている限りはナンピンを我慢することが大切です。
ナンピンするということは想定は違う方向に動いているということなので、その状態でエントリーするのは希望でトレードしている状態だからです。
このような状態でのトレードは損失を増やしてしまう可能性があります。
3-2-4. 分散投資で利益が得られているものがあればその利益分で塩漬けポジションを損切りする
分散投資(他の通貨や他の投資)で利益が得られているものがあればその利益分で塩漬けポジションを損切りすることも大切です。
利益は減ってしまいますが、塩漬けポジションによるさらなる損失を減らせる可能性があるからです。
3-2-5. 口座残高に余裕があるなら塩漬けポジションを次の到達目標地点としてトレードする
口座残高に余裕があるなら塩漬けポジションを次の到達目標地点としてトレードしても良いかなと思います。
未来の相場はやはり読み切れないものなので、
・戻ってくるかもしれない
・戻るどころか急反発ってこともあるかもしれない
・戻り切らなくてもスワップポイントで利益が出るかもしれない
からです。
また、塩漬けを意図的に残しておくことでトレードに対して常に慎重に取り組めるという利点もあるかと思います。
4. まとめ
塩漬けポジションについて振り返り、対策を考えてみました。
自分にとっては、FXを続けていくためにしっかりと意識して対応しておくべき内容です。
最後までお読みくださりありがとうございました。