【FX】ローソク足の値幅と陽線・陰線連続時の累積値を表示するボラティリティインジケーターを作成(トラリピやトラッキングトレードの値幅設定の検討用)

FX記事

トラリピやトラッキングトレードの自動売買の値幅を設定する際に、

「日足や週足のボラティリティ(価格変動)をパッと見でわかるようにしたい。そして、利益をコツコツ積み上げていくためにできるだけ最適な値幅を探りたい」

と思うことがあります。

また、裁量トレードにおいては利確ポイントを定めるのが難しいと感じているので、含み益が出たらトレールを活用することが多いのですが、

「できるだけトレールを伸ばせる値幅を探りたい。そのためには陽線や陰線が連続した時の価格変動幅(ロングの場合は陰線連続時の幅、ショートの場合は陽線連続時の幅)がパッと見でわかるといいかも」

と考えました。

ローソク足1本毎のボラティリティを表示するインジケーターは探すと簡単に見つかりそうでしたが、陽線、陰線が連続した時の値幅を表示するものは探してもすぐに出てこなかったので自作することにしました。

本記事では、TradingViewにおいてローソク足価格差・陽線陰線の累積値を表示するインジケーターを作成してみます。

目次
  1. ローソク足価格差・陽線陰線の累積値インジケーターのスクリプト
  2. ローソク足価格差・陽線陰線の累積値インジケーターの使い方

1. ローソク足価格差・陽線陰線の累積値インジケーターのスクリプト

今回作成するインジケータは、トレーディングツールのTradingViewで動作するものです。

TradingViewに内蔵されているPineエディタというエディタにスクリプト(プログラム)を記述して動作させます。

本スクリプトは、個人レベルで動けばいい、くらいの完成度で作成しているので動作保証は全くなしです。

スクリプトの作りも美しくないものです。

◆主な機能

  • ローソク足の価格差を表示する
    • 以下の2つを選択して表示
      1. ローソク足の始値-終値差 + 陽線・陰線の累積値を表示
      2. ローソク足の高値-安値差。累積値の表示はなし

作成したスクリプトは以下の通りです。

◆スクリプト

//@version=4
// https://heat-blog.com/
study("価格差・累積", overlay=false)


//価格差の選択
in_disp = input(type = input.bool, title = "ON:始値/終値差 OFF:高値/安値差・累積なし", defval = true)


//価格差の計算
out_closeopen = close - open
out_highlow = iff(out_closeopen >= 0, high - low, low - high)
out_disp = iff(in_disp, out_closeopen, out_highlow)


//プラス側の累積
out_ruiseki_plus = 0.0
for i = 0 to 20
    if out_disp[i] >= 0
        out_ruiseki_plus := out_ruiseki_plus + out_disp[i]
        continue
    else
        break

//マイナス側の累積
out_ruiseki_minus = 0.0
for i = 0 to 20
    if out_disp[i] < 0
        out_ruiseki_minus := out_ruiseki_minus + out_disp[i]
        continue
    else
        break


//価格差線の描画
plot(out_disp, color=color.aqua,style = plot.style_columns, transp=50)


//累積の描画
if (in_disp == false)
    out_ruiseki_plus := 0.0
    out_ruiseki_minus := 0.0

plot(out_ruiseki_plus, color=color.yellow)
plot(out_ruiseki_minus, color=color.yellow)


//ゼロ線
plot(0.0, color=color.red)

◆インジケーター表示画面(動作画面)

以下の画像の下のところに表示されているのが今回作成したインジケーターです。

  • 陽線の場合は上側に価格差の棒グラフ、陰線の場合は下側に棒グラフを表示
  • 陽線、陰線が連続している間の累積値を線グラフで表示

2. ローソク足価格差・陽線陰線の累積値インジケーターの使い方

2-1. インジケーターの表示(設置)

以下の手順でインジケーターの表示ができます。

手順1)TradingViewでPineエディタを起動

手順2)Pineエディタが開いた時のスクリプトを全て消して、上記のスクリプトを張り付ける

手順3)
 ①「チャートに追加」をクリックする
 ②「_」を押してPineエディタを閉じる

上記の手順を行うとインジケーターが表示されます。

2-2. インジケーターの設定

ローソク足価格差・陽線陰線の累積値インジケーターは以下の設定が可能です。

・設定するには、インジケーターの線の上をダブルクリックします。右クリックして設定を選んでもOKです。

・設定はチェックのあり、なしのみです

・チェックありの場合、「始値と終値の差」と「陽線・陰線の累積値」を表示します。棒グラフが差で、線グラフが累積です。陽線だとプラス側、陰線だとマイナス側に表示します。

・チェックなしの場合、「高値と安値の差」を表示します。累積値は表示しません。

2-3. インジケーターの使い方

ローソク足価格差・陽線陰線の累積値インジケーターは例えば以下のような使い方を考えています。

  • トラリピやトラッキングトレードの自動売買では1日に一回はエントリーなり決済の約定通知が欲しくなったりします(この考え方は良くないのかもしれませんが)。どれくらいの値幅で設定すればそれが実現できそうかを検討するのに使います。
  • トレール注文においてはできるだけ利益を伸ばしたいもの。どれくらいのトレール幅に設定すれば早めに決済されずに利益を伸ばせそうかを検討するのに使います。
    累積ありとなしを交互に見ながら検討します。

3. まとめ

TradingViewにおいてローソク足価格差・陽線陰線の累積値を表示するインジケータを作成してみました。

今後の相場で使える場面がどのくらいあるのかわかりませんが、うまく活用できたらと思います。

今のところ2つの使い方を実施中

  1. 自動売買の最適な値幅を検討する
  2. 裁量売買における最適なトレール値幅を検討する

最後までお読みくださりありがとうございました。