FXトレードにおいて20日SMA(単純移動平均線)を見ることが多いのですが、20日SMAが横ばいになってくると、しばらくの間はレンジを形成し、その後は今までのトレンド継続かトレンド転換をしていくことが多いと感じています。
20日SMAが横ばいになってからしばらくの間レンジが続くということは、20日SMAから乖離したら戻ってくる確率が高いということです。そこで20日SMAからの乖離率、あるいは、単純に価格の差を見たいと思いました。

私は4時間足に20日SMAを表示させることが多いのですが、ローソク足の時間足とSMAの時間足が違う場合の乖離率計算に対応したインジケーターを見つけられなかったので自作することにしました。
本記事では、TradingViewにおいてSMA(単純移動平均線)からの乖離率、または、価格差を表示するインジケーターを作成してみます。
- SMA乖離率or価格差インジケーターのスクリプト
- SMA乖離率or価格差インジケーターの使い方
1. SMA乖離率or価格差インジケーターのスクリプト
今回作成するインジケータは、トレーディングツールのTradingViewで動作するものです。
TradingViewに内蔵されているPineエディタというエディタにスクリプト(プログラム)を記述して動作させます。
◆主な機能
- SMA(単純移動平均線)とローソク足終値の乖離率または価格差を表示
- 乖離率か価格差のどちらを表示させるか選択可能
- SMAの期間の指定可能
- 時間足をチャートに合わせるか、別にするか設定可能
作成したスクリプトは以下の通りです。
◆スクリプト
//@version=4 // https://heat-blog.com/ study("SMA乖離率", overlay=false, resolution="1D") //SMA期間の設定 in_sma_range = input(20, title="SMA期間") //乖離率か価格差かを選択 in_disp = input(type = input.bool, title = "乖離率(レあり) 価格差(レなし)", defval = true) //SMA乖離率or価格差計算 tmp_sma=sma(close, in_sma_range) sma_disrate = ((close - tmp_sma) / tmp_sma) * 100 sma_disdif = close - tmp_sma out_disp = iff(in_disp, sma_disrate, sma_disdif) //乖離率線の描画 plot(out_disp, color=color.red) //上下限線描画 in_upper = input(type = input.float, title = "上限線の値", defval = 0.5, minval = 0, maxval = 10, step = 0.05) in_lower = input(type = input.float, title = "下限線の値", defval = -0.5, minval = -10, maxval = 0, step = 0.05) ////in_lower = (-1) * in_upper plot(in_upper, color=color.green, transp=30) plot(0.00, color=color.green, transp=0) plot(in_lower, color=color.green, transp=30)
◆インジケーター表示画面(動作画面)
以下の画像の下のところに表示されているのが今回作成したインジケーターです。

2. SMA乖離率or価格差インジケーターの使い方
2-1. インジケーターの表示(設置)
以下の手順でインジケーターの表示ができます。
手順1)TradingViewでPineエディタを起動

手順2)Pineエディタが開いた時のスクリプトを全て消して、上記のスクリプトを張り付ける

手順3)
①「チャートに追加」をクリックする
②「_」を押してPineエディタを閉じる

上記の手順を行うとインジケーターが表示されます。
2-2. インジケーターの設定
今回のインジケーターは以下の設定が可能です。
・設定するには、SMA乖離率インジケーターの線の上をダブルクリックします。右クリックして設定を選んでもOKです。

・SMA期間などの設定が可能です。

・色を好みに合わせて変更できます。

3. まとめ
TradingViewにおいてSMA(単純移動平均線)からの乖離率、または、価格差を表示するインジケータを作成してみました。
今後の相場で使える場面がどのくらいあるのかわかりませんが、うまく活用できたらと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。